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気になる外資系企業の動向、通訳・翻訳業界の最新情報、これからの派遣のお仕事など、各業界のトレンドや旬の話題をお伝えします。

峰尾香里先生のコラム 『Winding roadの果てに - ある通訳者のひとりごと』 フリーランス会議通訳者。アイ・エス・エス・インスティテュート東京校英語通訳科講師。
University of Massachusetts Lowell MBA
旅行会社、厚労省の外郭団体での勤務を経て、英語通訳者として稼動開始。金融、IT、製薬の3分野で社内通翻訳者として勤務後、現在は経営戦略、国際会計基準、財務関連を中心に様々な分野で通訳者として活躍中。

第14回:スケジュール管理のコツ

昨夜急に思い立ち、10年前のスケジュール帳を開いてみました。
当時は社内通訳者だったこともあり、自由な時間があまりなかったように記憶していたのですが、思いのほかワーク・ライフバランスがとれていたことにびっくり。若さゆえの体力、行動力のなせるわざだったのでしょうか。思わず「時間よ、とまれ!」と、叫びたくなってしまいます。
さて、今回は先月のコラムで予告した「時間管理のコツ」についてお話しします。
忙しい人ほど、上手にスケジュール管理ができていると感じたことはありませんか?よくよく観察してみると、優先順位づけが実にうまいのです。繁忙期ともなると、ついつい仕事を詰め込んでしまうことも多いかと思います。仕事のレベル、現場までの通勤時間、経験がある分野かどうか、拘束時間、通訳者一人当たりの業務量などによって、通訳のパフォーマンスは大きく影響を受けます。限界を超えて仕事を引き受けてしまい、クオリティが下がって残念な結果に終わってしまうこともあるかもしれません。また過労で体調を崩し直前でお断りする、といった事態はぜひとも避けたいものです。スケジュール管理が上手な人は、体調管理を最優先してできることできないことをきちんと把握した上で、今の自分が引き受けるべき仕事を判断しているようにみえます。

また、そういった人たちは隙間時間も上手に活用しています。「5分あればメールの返信、15分あれば資料にざっと目をとおす、30分あれば単語帳を作成できる。」といったように、自分の処理能力を把握した上で、移動時間や待ち時間、あるいは家事の合間にどんどんタスクを処理していきます。集中力が必要な作業では、例えば30分後にタイマーをセットして時間になったら途中でもストップして、5分休憩後にまた始めた方が、2時間3時間続けるよりも能率が上がるように思います。やるべきことが多いときはあれもこれもと考えて呆然としてしまいますが、優先順位をつけたうえで、作業を小分けにしてどんどん処理していき最終的にやり残したことがあったとしても「できることはやった。これでよし!」とする気持ちの切り替えも肝心です。
自分の時間と同じように、相手の時間を無駄にしない配慮も大切です。エージェントからのメールの件名に【ご依頼】【緊急】【時間変更】【キャンセル】とあることで、内容が端的に分かりとても助かります。複数のクライアント、案件、通訳者を抱えるエージェントの担当者は1日に数多くのメールを処理しているはずです。件名で検索することも増えているので、こちらから送信する際は検索をしやすいような件名をつける配慮も必要でしょう。

また、最近ではスマートフォンやタブレットの端末などのモバイル端末を本格的に使いこなしている通訳者も増えてきました。仕事に関連した情報の検索以外にも、様々なアプリを活用しています。徒歩ルートを案内するアプリを使えばどの方向に進めばいいのか、どこで曲がればいいのかを直感的に認識できます。初めて向かう現場で道に迷う不安からかなり早めに家を出て、時間調整に入れるお店もなく途方にくれたことがありました。こういったアプリがあれば、あと1時間は家で準備のための勉強ができたなと今では思います。
2月の繁忙期に入りやるべきことは山積みですが、まずは深呼吸をして時間に振り回されないようにしたいものです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう!

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