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気になる外資系企業の動向、通訳・翻訳業界の最新情報、これからの派遣のお仕事など、各業界のトレンドや旬の話題をお伝えします。

豊田実紗先生

豊田実紗先生のコラム 『一歩ずつ、丁寧に』 青山学院大学大学院法学研究科(フランス法専攻)修士課程修了。法律関連の資格を複数取得した後、それらの知識を活かしつつ語学に関する仕事に就きたいと決意し、翻訳学校にて実務翻訳の講座を受講。その後、在宅チェッカーとして業務を開始。現在は、在宅フリーランスの翻訳者として、おもに法律分野・行政分野の文書を中心に、その他、観光・文化芸術分野などの翻訳に携わっている。

第12回:行動力と努力

早いもので、今回のコラムが最終回です。おかげさまでコラム執筆を通じて、私自身の今までの人生を振り返ることができました。本当に良い機会をいただきまして、ありがとうございました。

今回、全12回のコラム執筆の際に自分自身のことを振り返ってみると、私は意外にも直感やひらめきで行動してきた人間なんだな、ということに気づきました。私としては、あれこれ慎重に考えすぎる性格で、冷静に筋道を立てながら行動をするタイプの人間だと思い込んでいたので、今回のコラム連載を通じて自分自身の意外な一面に気づくことができました。というのは、振り返ってみると、人生のターニングポイントでは常に直感やひらめきで行動していたことが分かったからです。大学・大学院時代にK先生やS先生の授業を受講したことも、インターネット上でたまたま実務翻訳という仕事を見つけたことがきっかけで翻訳学校の講座の受講を即決したことも、苦手意識の強かった日英翻訳に特化した講座を受講してみたことも、翻訳者トライアルに合格できなかったので突発的にチェッカーのトライアルに挑戦してみたことも、チェッカートライアルの合格後に翻訳会社に突撃訪問してみたことも、翻訳学校(アイ・エス・エス・インスティテュート)での講師のお仕事を即決でやらせていただくことにしたことも、すべて理屈抜きでピピッと直感的にひらめいて即行動していたことに気づかされました。

「思い立ったら吉日、ピンときたらすぐに行動!」つまり「やってみようかな」と思ったら、躊躇しないですぐに行動してみないと何も始まらない。そのような気持ちで、無意識に無我夢中で駆け抜けてきた人生でした。「いちおう試してみないと何も分からないし、何も行動しなかったら勿体ない、せっかくのチャンスを逃してしまうから・・・」いつも心の中でそのように呟きながら、今まで歩んできました。

このように、お恥ずかしいぐらいに無謀だらけの私のこれまでの人生ですが、意外にも直感と行動力というものは、人生においてとても重要なことなのかもしれません。したがって、仮に今現在「翻訳の勉強してみようかな、翻訳のお仕事に興味があるけど自信がない、どうしよう・・」あるいは「ある程度、翻訳について勉強してきて自信が出てきたけど、果たして翻訳会社のトライアルに合格できるかな、受けてみようか迷っちゃう・・」のように思い悩んでいる方がいらっしゃるとしたら、まずは行動してみることをおすすめします。ピピッと直感でひらめいて魅力を感じたのであれば、おそらく即行動してみたほうが良いと思います。ぜひ皆さんにも、しっかりと確実にチャンスを掴んでいただきたいです。

そしてもうひとつ、翻訳者として最も重要なことは「努力を継続すること」つまり「継続した努力」が必要となります。たとえ翻訳者としての才能や実力があるとしても、努力することが必須といえます。翻訳スキルを日々向上させるための努力を継続できる人こそが、翻訳者として活躍し続けることができる人だと思います。翻訳の勉強も一歩ずつ丁寧に、そして翻訳者になってからは翻訳のお仕事を一歩ずつ丁寧に。コツコツ地味なことですが、目立たないところで努力しながら丁寧に一歩ずつ何事もおこなっていけば、必ず素晴らしい結果が付いてくると思います。誰よりも私自身がそのように強く信じながら、日々前進していきたい、そのように思っています。

恥ずかしながら私自身も、今現在も毎日、少々の時間であっても翻訳の自主勉強をして少しでも新しい知識や翻訳スキルが身に付くように、たとえば翻訳に関する参考書や英文法のテキストを読み返してみたりして、努力し続けています。「昨日よりも今日、今日よりも明日のほうが、少しでも翻訳スキルが向上していますように・・・」と願いながら、日々努力しています。

実際に翻訳の仕事をしてみると想像以上にやりがいのある、社会のお役に立つことができる仕事だな、と実感できることが多いです。私自身、常に努力して翻訳スキルを磨きながら翻訳の仕事を一生続けていきたいと思っています。それほど、翻訳の仕事は魅力的で楽しい仕事といえます。「年齢を重ねるごとに、ますます翻訳の仕事の実績を増やしていけるように、そして翻訳スキルが向上していくように」と願いながら、これからの人生も「翻訳」と二人三脚で歩んでいきたいです。

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