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プロ通訳者・翻訳者コラム
気になる外資系企業の動向、通訳・翻訳業界の最新情報、これからの派遣のお仕事など、各業界のトレンドや旬の話題をお伝えします。
山口朋子先生のコラム 『"翻訳"は一日にしてならず --- 一翻訳者となって思うこと』 慶應義塾大学法学部法律学科卒業。外資系メーカー勤務を経た後、フレグランス業界へと活動の場を移し、マーケティング他業務に携わる。その後、米国カリフォルニア州立大学大学院にてTESOL(英語教育法) 修士号を取得。日本帰国後、アイ・エス・エス・インスティテュート英語翻訳者養成コースを経て実務翻訳の道へ。現在は、医療・美容業界関連、その他雑誌・ホームページ記事やエッセイなどの分野から、会社規約・契約、研修マニュアル、取扱説明書、財務レポート他各種報告書などのビジネス文書等に至るまで様々な分野の翻訳を手掛けながら、同校の総合翻訳基礎科の講師を務めている。
第13回:ご挨拶 & 翻訳者の日常とは?
皆様、明けましておめでとうございます。年末年始、いかがお過ごしでしたか?
新しい年もまた皆様にとって実りある素晴らしい年となりますようお祈りしつつ、昨年に引き続き2014年も本コラムを担当させていただく事となりましたご挨拶から・・・。
昨年同様、一翻訳者としての何気ない独り言を通じてではありますが、自ら考えていることや、何らかの形で皆さんのお役に立てるような情報など、率直にお伝えしていけたらと思っております。
この一年間もどうぞ宜しくお願い致します。
今回は、最近よくお受けする「翻訳者ってどんな生活をしているの?」というご質問をベースに、翻訳者としての(私の場合は講師業などその他の関連業務もありますが)等身大の自分とその自分を取り巻く環境、仕事のスタイルなどについてお話ししたいと思います。
そもそも翻訳者とは「翻訳」をする「者(=人間)」であるわけですが、その生活リズムや仕事の進め方・スタイルは人によってもそれぞれ異なるため一概には言えないかと思います。
ですが、翻訳という業務に限って申し上げれば在宅で腰を落ち着けて行うものですので、基本的には「朝型」と「夜型」に分かれるかと思います。早朝からガーっと集中すると仕事がはかどる、という方も勿論いらっしゃいますし、私のように完全に「夜型」(笑)の方もいらっしゃると思います。
朝型は、朝方のお時間に猛集中して、午後は数時間、夜は家事その他に時間を割き、早めに就寝するといったタイプが多いかと思いますが、私は大体午後数時間と夜に作業を進めることが多いです。
勿論かなり大型の翻訳案件をお受けしている場合などは午前中も翻訳を進め、深夜も遅い時間になることもありますので、学校での授業が無い時には特に、部屋にこもって黙々と作業している時が多くあります。適度に気分転換しながら集中力が途切れないように努力する…この作業はなかなか大変ですが(笑)私の強い味方は美味しい紅茶やお茶とチョコレート(その他スウィーツ)。こうした「お友達」は翻訳者にとってさまざまかもしれませんね(笑)通訳をなさる方々も、緊張感をほぐすため、そして集中力を保つためにそれぞれ工夫をしていらっしゃるとお聞きしたことがあります。
私は通訳者ではありませんし、瞬発力が求められ、その場で言葉を発して行く作業の大変さは計り知れませんが、翻訳の講座を担当し、授業で皆さんに色々な事を「口頭でお伝えする」業務の中では毎回緊張します。私の中で翻訳のお仕事を「静」とすると、この講師のお仕事は「動」の作業であり、別の緊張感に包まれるのです。クラスでは「翻訳」についての講義を行う訳ですが、その関連業務は課題・テキスト作成、課題の添削、成績評価などさまざまで、平日に授業がある期間はそれぞれの日について前日・当日の多くの時間をそのような業務にあてることとなります。ですので、例えば平日の授業以外にも土曜の集中講義のクラスを担当させて頂いている時期に、翻訳案件の依頼をお受けしている場合には、休日は無いという場合もあります。
ただ、私にとってはこの翻訳を取り巻く「静」と「動」の作業それぞれから色々な発見や気付きなどを得ることができ、学ぶことが多いと感じています。まさに翻訳漬けの毎日ですが、適度にリラックスしながら何より作業を楽しみ、充実感を得ることが出来る幸せを感じている次第です。
翻訳・通訳に関連したお仕事をなさっている方だけでなく、現在他のお仕事をなさっている方も、年の初めのこの時期に、今のご自分の仕事の進め方・スタイルとはどのようなものか、果たして最も効率的で自分にとって最適なのか、など改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか?私もこの機会に、少し振り返って微調整し、昨年以上にパワーアップしたいと思います!
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