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スタッフの声

得意の英語を活かしたお仕事で、いきいきと活躍している派遣スタッフのみなさんに、現在のお仕事や今後のキャリアプランについて伺いました。アイ・エス・エスから派遣就業されているスタッフの方の「声」をお届けいたします。

『企業で経験を積み、金融翻訳スキルに大変定評』 小林克子さん 1996年より翻訳専任業務に就き、その後、米国公認会計士資格(CPA)を取得、金融翻訳者として活躍中。銀行や証券、生命保険、税務法人や金融コンサルティングなど様々な企業での金融翻訳の経験があり、忙しい現場でも常に冷静な対応と高い金融翻訳のスキルに定評がある。

まず最初に、翻訳者を目指すきっかけについてお聞かせください。

きっかけは、外資系損害保険会社に英文事務として働いていた時、急に翻訳を頼まれたことです。大学の英文科を卒業後は英語を活かしたいと英文事務や秘書の仕事に就いていましたが、その時は英語ができるという理由だけで依頼され、慌てて自力で勉強して対応した思い出があります。それからは上司の外国人が読むための社内文書を翻訳する仕事が舞い込むようになりました。その後アメリカ本社とのシステム開発プロジェクトにアシスタントとして加わることになり、メールや資料の翻訳を手伝うようになりました。自分には翻訳が合っているとだんだん感じるようになったので、翻訳の仕事に絞ってお仕事を紹介していただくようになりました。

金融翻訳を専門とされていますが、金融を選んだことに理由はありますか。

翻訳の仕事を始めた当初は、通信業界で約3年経験を積みました。その後、たまたま金融業界での仕事を紹介されました。そこでは金融翻訳の経験が問われなかったため、とても運が良かったと思います。未経験で金融翻訳に携わることに不安はありましたが、思い切って飛び込みました。ここでも約3年間努めました。翻訳の仕事にも慣れてきてそろそろ自分の得意分野を決めたいと思った時、直近での経験を活かせる「金融」を選んだのは私にとってとても自然なことでした。

金融翻訳に携わることで、努力したことはありますか。

私が金融翻訳を始めることになった勤務先は、社内に常駐の翻訳者がいる環境でした。社内に過去の実績がファイリングされていたので、時間が許す限り目を通して勉強しました。また、図書館にも通い、金融の本を読んで知識を付けるように努力しました。

米国公認会計士資格(CPA)を取得しようと思ったきっかけは何ですか。

金融翻訳の仕事に携わって数年経った時、金融の知識やバックグラウンドが自分に不足している事を痛感していました。CPAは金融や会計の知識を体系的に習得できるので、そこに魅力を感じて受験を決意しました。特に、英語で会計を学べるという事が一石二鳥だと思えたのです。

CPAを取得したことは翻訳の仕事にプラスになっていますか。

はい、それは思った以上にプラスになっています。CPAには科目の中に財務だけでなく監査論もあります。最近は監査関連の翻訳の仕事を受けることも多いので、CAP受験の勉強を通じて広範な知識を得られたのは良かったと思っています。

CPA取得後に変わったこと、良かったことがあればお聞かせください。

知識の面では翻訳のお仕事に非常に役立ちました。例えば、米国の会計基準に日本の会計基準を合わせるという「US GAAP Conversion」というコンサルティングがありますが、関連する翻訳の仕事をした時には、CPAの勉強をしておいて良かったと思いました。また、最近はずいぶんM&Aの仕事が増えていますが、M&Aは財務の知識が必要です。米系企業からそういった翻訳のお仕事を受ける場合は、アメリカの会計の知識を持っているのはずいぶん助けになっています。

金融翻訳者として心がけていること、大切にしていることはありますか。

金融翻訳に限りませんが翻訳者として、「書き手の意図を正確に伝えること」、「分かりやすい・読みやすい文章にすること」をいつも心がけています。

金融翻訳以外の翻訳も経験されていますが、他の翻訳との違いがあれば教えてください。

金融は情報が得やすいため、勉強しやすいと思います。IR情報にしても企業は積極的に公開しているので、インターネットでも資料を入手しやすいです。それに金融は企業再生やM&Aなど、比較的ストーリーがあるため、自分で新聞や本を読んで知識を身に付けてフォローできる点が魅力です。
また、金融の知識だけあれば金融翻訳ができるというものではなく、広く浅く他業界の情報・知識も必要となります。企業あってのIRなので、自動車業界や流通、製薬などそれぞれの事業内容や専門用語を知らないと対応できません。日々新しいことを勉強することが大変な反面、それが面白さや刺激でもあります。時間の制約のある中で苦労はありますが、必要な資料がどこにあるのかが分かれば、ある程度はこなしていけます。

様々な会社で金融翻訳に従事されていますが、銀行や証券等の各業界により仕事の進め方の特徴はありますか。

証券の投資銀行本部で仕事をした時はとても忙しかったです。IRの資料や分量の多い急ぎの翻訳依頼が多く、いつ帰れるか予測がつかないことがありました。銀行では定時に終了するケースが多いように思います。

翻訳時にはどんな辞書や資料を使用していますか。Webサイトの利用も含めて教えてください。

現場では専ら電子辞書ですね。電子辞書の中に入っているCollins Cobuildの英英辞典が一番のお気に入りです。Webサイトではスペースアルクの「英辞郎」を使っています。また、ISS編の「金融用語辞典」も必需品です。「金融・証券・保険」、「法律・会計・税務」の2分冊を両方持っていますが、就業先の現場に置いてあることも多いので、そこで拝借することもあります。

その他、参考資料等はどのようなものを利用しますか。

案件によって違いますが、基本はアルクとGoogleで検索してヒットしたサイトを利用します。金融庁のサイトや各証券会社のサイトで用語集の解説が載っているところを利用することもあります。

翻訳作業ではどの程度のOA操作スキルを要求されますか。

基本的には、元のデータに翻訳した内容を上書きしていくという作業になりますので、それほど高度なスキルは要求されません。ただし、パワーポイントのプレゼンの資料などでは、文字数の違いによりレイアウトが崩れることもあります。なるべく与えられた枠内には入るように調整しますが、そこまでの作業です。もちろん操作スキルが高いに越したことはありませんが、基本操作の範囲内の対応で問題ありません。ちなみに、翻訳者泣かせなのが、PDFファイルでの翻訳依頼のケースです。PDFの場合は上書きができないため、数字や表を一から打ち込んでいく作業は、とても手間がかかり神経を使います。

小林さんは派遣の他、在宅での翻訳もされていますが、派遣の良いところがあれば教えてください。

時間の管理がしやすいことです。また、現場の人に直接質問ができるという点も非常に大きなメリットです。

翻訳者になって、やりがいを感じたこと、良かったと思ったことがあれば教えてください。

ひとつひとつのお仕事が比較的短期間で完結するので、達成感が得やすいことでしょうか。また、新しい情報に触れることもできますし、知らなかったことに気づかされることも多く、翻訳の仕事は飽きることがありません。

今後はどのような仕事をしたいですか。

IRやコンプライアンス分野での仕事をしたいです。

金融翻訳者を目指している方に何かアドバイスをお願いします。

まずは翻訳の経験を積むことが大切です。翻訳の経験がない場合や少ない場合は、はじめから翻訳だけの業務につくのは難しいと思いますが、アシスタント業務や秘書業務などの中で翻訳が含まれるお仕事を紹介してもらい、徐々に翻訳業務の割合を増やしていくといいと思います。また、翻訳であれば、最初から金融に絞り込まなくてもいいと思います。例えば、IT関連は比較的入りやすいのではないでしょうか。銀行でも証券でもシステムは不可欠ですので、IT分野での経験は金融でもプラスになります。また、金融翻訳は金融経験がないと難しいですが、自分で知識を得るチャンスはたくさんあります。毎日私は日経新聞に目を通していますが、日経新聞は最も優れたテキストだと思っています。日経に掲載される金融用語の解説部分は、スクラップしています。また、金融、経済、財務などの基本的な知識が必要です。そして、自分なりに調べるリサーチ力も必要となります。

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