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プロ通訳者・翻訳者コラム

気になる外資系企業の動向、通訳・翻訳業界の最新情報、これからの派遣のお仕事など、各業界のトレンドや旬の話題をお伝えします。

津村建一郎先生

津村建一郎先生のコラム 『Every cloud has a silver lining』 東京理科大学工学部修士課程修了(経営工学修士)後、およそ30年にわたり外資系製薬メーカーにて新薬の臨床開発業務(統計解析を含む)に携わる。2009年にフリーランスとして独立し、医薬翻訳業務や、Medical writing(治験関連、承認申請関連、医学論文、WEB記事等)、翻訳スクール講師、医薬品開発に関するコンサルタント等の実務経験を多数有する。

第1回:自己紹介

皆様初めまして、ISSインスティテュートにて、医薬翻訳コースの講師をしております津村 建一郎(ツムラ ケンイチロウ)と申します。

この度、ISS人材サービスよりの依頼を受けまして、「プロ通訳者・翻訳者コラム」を執筆することとなりました。このコラムでは通訳・翻訳で就業中の方に、仕事で役立つ情報を提供することと聞いておりますので、翻訳に関しての話題と医薬に関する話題を交互に、そこはかとなくお話しして参りたいと思います。

その第1回目は私の自己紹介をしたいと思います。

現在、T Questという個人事業の代表をしており、今年で開業10周年となります。代表と言いましても私ひとりでやっておりますので、まっ、いわゆるフリーランスと言うことになります。T Questの主な業務は、医薬翻訳(日⇔英)と、Medical Writing(医薬品や医療機器に関する規制当局への承認取得のための申請書類及びその関連書類の作成、医療等に関する公表論文用の原稿作成、その他、各種執筆業務[日英])、語学スクール等での講師、医薬品や医療機器の開発に関するコンサルタント等を引き受けております。

この様に現在は奇しくも、英語と医薬知識で生計を立てておりますが、大学での専攻は全く畑違いでした。一応、大学院の修士課程を修了しておりますが、専門は工学系の統計解析や経営工学(いわゆるMBA)で、英語にも医薬にも縁がない分野で「日本人に英語はいらない」という勝手な主義を通し、どちらかというと英語は苦手でした。

ところが、人間万事塞翁が馬で、就職先は専門と全く関係ない外資系の医薬品企業となり、(専門の統計解析の知識が買われた様ですが)配属が病院等で新薬を使用した患者さん達から集めた様々なデータを解析して、承認申請資料や販促資料を作成するデータ解析部署となりました。

そこで数年勤務しましたが、データ解析部署はいわゆる「オタク集団」でして、もうすこしクリエイティブな仕事がしたいと思い、病院やドクターに新薬を使ってもらって、その有効性・安全性のデータを収集し、新薬の開発ストラテジーを組み立て、承認申請業務を行っている臨床開発部署の開発モニターへの転属を申し出、転属することとなりました。

開発モニターとして、日本中を飛び回り、様々な医療施設や医療関係者と面会し、新薬の開発ストラテジーを作り、承認取得に向けて当局と渡り合う・・・と言った仕事を続け、プロジェクト・リーダーとして3製品の開発~承認申請~発売を達成し、それらの製品はいまだに各々年間200億円以上の売上げを達成しているとのことです。この様に私の医薬薬学の基礎知識は殆ど「耳学問」で、門前の小僧習わぬ経を読む、で習得しました。

そうした中、40代半ばを過ぎた頃、ドイツ本社や海外クライアントと日本への新薬導入についての交渉を行う部署を立ち上げるとのことで、そちらへの配属が決まりました(部員は数名)。問題なのは、その部署のリーダーが外人だったことです。彼は殆ど日本語がダメで、畢竟、オフィスでの文書や会話は全て英語!!!となってしまいました。

この様に、私が本格的に英語を勉強しだしたのは40代半ばを過ぎた頃だったのです。様々な通信教材やリスニング教材を片っ端から勉強し、行き帰りの電車内はウオークマン(懐かしいでしょ)で英語を聞きまくっていました。語学習得の早道は、英語なら英語にドップリ首まで浸かることだ・・・とこの時実感しました。2年ほど経つと、単身でドイツ本社や海外のクライアントを訪問してそれなりのビジネスをこなしていましたからたいしたものです(自画自賛!)。

その後、医薬品業界にもM&Aの嵐が吹き荒れ、馴染みのあった会社は全く変貌してしまい、転職の道を選びました。それでも、英語力と医学薬学知識、データ解析技能が買われて、外資系企業を転々とし、最後は開発本部長(サラリーマンとしての最高位)まで登り詰めました。

この様な転職を機に、第2の人生を考え始め、医薬翻訳の副職を始めました。お陰様で、この副職が盛況で、本職と副職のどちらが本業か?となる状況でした。一方、最後の本部長職はある意味面白さに欠け、くる日もくる日も社員の稼働率と売上げの集計とコストカットの数字と向き合うだけでした。そうした中、またまた会社がM&Aとなり吸収合併される側になったため、思い切って退職し、副職でご縁の出来たクライアントとの関係を維持しつつ、現在のT Questを立ち上げました。

以上の様に、それなりに波瀾万丈?の人生を送って参りましたが、その中で掴んだ教訓らしきものは;
①語学を始めるのに年齢は関係ない。どれだけ「ドップリ」の環境を作れるかがポイント!必要こそ語学習得の母。
②自分の人生ですから面白そうな仕事を積極的に取りに行くことが、自分のステップアップとなります。
③苦境に立ってもその中でBestをつくす。腐っていても始まりません。人間万事塞翁が馬、次にどうなるかは誰にも解りませんよ!

と言うことで、エラそうなことを並べてきましたが、プロの通訳者や翻訳者を目指してしている方、年齢や現状に捕らわれることなく、「思い立ったが吉日」で、今から、今日から行動を起こすことが大切です。私達はそのお手伝いを喜んで引き受けたいと思っております。

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