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塚崎正子先生のコラム 『ある実務翻訳者のつぶやき』 お茶の水女子大学文教育学部外国文学科英文学(当時)卒業。電気メーカーに入社後、フリーランス翻訳者となる。移動体通信、コンピュータ、医療機器を中心とした分野に関する各種マニュアル、学術論文、契約書などの英日/日英翻訳を手がける。

第1回:はじめまして。

このたび、本コラムを成田先生から引き継ぐことになりました塚崎と申します。一口に実務翻訳者といってもキャリアの積み方も、バックグラウンドも千差万別。ごくごく平均的な実務翻訳者の私なりに日々感じていることを、つぶやいていけたらと思っています。
まずは私のバックグラウンドから。

気が付けば翻訳担当?
とにかく英語が好きで、大学時代は英語を専攻したものの、卒業後は英語を仕事にするなんて大それたこと(!?)は考えず、普通にメーカーに就職しました。折しも、当時は「男女雇用機会均等法」の施行直前(年齢がバレますが…)。そのため、どの会社も均等法施行後の時代にそなえ4大卒の女子を採用していたものの、私たちの社内での立ち位置は微妙でした。

英語ができるということで、ご多分にもれず海外部門に配属されたものの、営業をするわけでもなく、気が付いたら海外助成物の作成業務なるものに携わっていました。実は、この時、実務翻訳の世界との運命的な出会いがありました。仕事の一環で技術部門に出入りすることが多くなり、そこで英語もできて、ご自身の趣味が小説を書くことという、日本語の使い方には非常に厳しい技術者と知り合いました。また、その後、折に触れ一緒に仕事をすることになる翻訳者に出会ったのもこの時でした。さらには、多くの技術者の方から基本的な技術知識を教えていただいたのも、後々、非常に役立ちました。

そろり、そろりと在宅翻訳の道へ
正社員として社内翻訳の仕事をし始めて数年たったころ、漠然と自分の今後の人生を考えたとき、どんな状況になっても一生続けられる仕事を身につけようと、一大決心をして会社を辞め、フリーとなりました。最初のころは、エージェントを通して主に以前の職場から仕事をいただき、現場や自宅で翻訳をしていました。その後、夫が地方へ転勤になりましたが、そのころには在宅でこなせる力と信用はなんとか獲得できていたと思います。

ISSとの出会い
私がISSに登録して翻訳を始めたのは2000年、夫の海外勤務から帰国後、仕事を再開しようと思っていたころでした。きっかけは、メーカー勤務時代に知り合った翻訳者の紹介。彼女が非常に信頼できる翻訳者だったことが大きかったと思います。また2003年からは、翻訳部からの紹介で、スクールで講師の仕事もしています。そろそろ、私も恩返しをする時期かなと思い、翻訳者の卵の方たちと楽しく勉強しています。

こうやって振り返ってみると、私の翻訳人生は「人の縁」なしにはあり得なかったな、と思います。今でも、20年以上前に勤めていたころの人から、個人的に仕事を頼まれることもあります。そういう意味では周りの人に恵まれていて、本当に感謝しています。

こんな風にして翻訳の世界に足を踏み入れた私ですが、特に最初のころは試行錯誤の連続。振り返ると、ちょっと恥ずかしいこともありますが、思い切ってお話していこうかと思っています。とりあえず、次回は翻訳の勉強方法について。

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