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気になる外資系企業の動向、通訳・翻訳業界の最新情報、これからの派遣のお仕事など、各業界のトレンドや旬の話題をお伝えします。

塚崎正子先生のコラム 『ある実務翻訳者のつぶやき』 お茶の水女子大学文教育学部外国文学科英文学(当時)卒業。電気メーカーに入社後、フリーランス翻訳者となる。移動体通信、コンピュータ、医療機器を中心とした分野に関する各種マニュアル、学術論文、契約書などの英日/日英翻訳を手がける。

第10回:翻訳の仲間、先輩を探せ!

永遠に続くかと思われた暑さも収まり、秋が駆け足でやってきました。10月になったのを機に、翻訳の勉強を始めようと思っている、もしくは既に始められた方、社内での部署が変わり英語に接する機会が増えた方もいらっしゃることと思います。

けれども翻訳の勉強や仕事は、結構孤独なもので、なかなかモチベーションを維持していくのは大変です。そんな時、同じように勉強をしている人と悩みを打ち明けあったり、既にそういう悩みをくぐり抜けてきた先輩に、アドバイスを求めたりしてみると、また頑張ろうという気にもなります。今月は、そんな翻訳の仲間、先輩の探し方をシチュエーション別に紹介しましょう。

翻訳を勉強中の方

「勉強中」と言っても自宅でまったくの独学、通信教育やネット受講、翻訳スクールへの通学など多岐にわたります。自宅で勉強されている方はネットや雑誌などを通じて情報収集はできるものの、ちょっとした疑問が生じたときに解決する手段がなかなか見つかりません。

ネット上には様々な翻訳関連のサイトがあり、自分に合ったものを探すのもよいかと思います。一つ例を挙げれば、私も勉強を始めたころにお世話になった翻訳フォーラムは、インターネット時代以前から続く歴史あるしっかりしたサイトで、初心者の方にも役立つ情報も多く、交流の場も提供されています。

また、通信教育やネット受講、通学で勉強されている方は、その主催先で交流の場を提供しているところもあります。例えば、私が講師をしているアイ・エス・エス・インスティテュートでは、クラスごとにメーリングリストが設定されています。その中で、受講生の方はお互いに励ましあったり、愚痴ったり(!?)、勉強方法の工夫を披露したりしているようです。同じようなレベルの人と、同じ教材を同じ時期に勉強しているのですから、うまく活用すれば授業の効果も倍増といったところでしょうか。

職場で多少なりとも翻訳者として活動中の方

社内翻訳者は在宅翻訳者への足掛かりととらえられていますが、実はこの段階が非常に大事!社内翻訳時代に蓄えた知識が、在宅翻訳者へ移行したときの「宝」となります。社内翻訳者の有利なところは、自分に足りない技術的な専門知識を持った人が周囲にゴロゴロいることです。在宅翻訳者が一日かけて調べることが、目の前にいる人に聞くだけで解決することがあります。また、既に社内翻訳者として活動されている方がいるところに、新たに配属になったのであれば、その先輩翻訳者が持っているノウハウを積極的に吸収しましょう。実務翻訳の場合、社内翻訳者というのは、翻訳知識と専門知識の両方を同時に吸収できるという点で、とてもお得な立場です

曲がりなりにも翻訳者と名乗っている私の場合

私にも翻訳者仲間と呼べる人が何人かいます。先日も、その中の一人とたまたま同じ仕事を請け負う機会があったため、あそこの表現がどうだったとか、時制をどう処理したかとか、納品後に一緒に反省会をしました。また、私が担当する翻訳コースの受講生も私にとっては大事な翻訳者仲間です。今でも、受講生の方から提出された課題の訳文を読んでいて、ドキッとする表現に出会うことは少なくありません。

「言葉」という目に見えないものを扱う翻訳者にとって、独りよがりな翻訳をしないためにも、よき仲間や先輩からのアドバイス、刺激は大事だと思います。

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