Tips/コラム
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スタッフの声
得意の英語を活かしたお仕事で、いきいきと活躍している派遣スタッフのみなさんに、現在のお仕事や今後のキャリアプランについて伺いました。アイ・エス・エスから派遣就業されているスタッフの方の「声」をお届けいたします。
『通訳・翻訳専任のキャリアを形成』 箕輪忍さん
これまでの就業経験で身につけた現場力やビジネス知識と、スクールで磨いた通訳スキルを強みに、通訳・翻訳のキャリアを形成。
目標は、企業にとって欠かすことのできない通訳者になること。
通翻訳者を目指すきっかけを教えてください。
小・中・高・大学とすべて日本の学校でしたが、大学生の時に初めてホームステイで海外オーストラリアでの生活を経験しました。このホームステイがきっかけとなり、もっと英語力を伸ばしたいと留学を決意。大学の交換留学制度を利用してオーストラリアのモナッシュ大学で1年間の留学生活を送りました。留学中にクイーンズランド大学の通訳翻訳修士課程の存在を知り、交換留学終了後1年間の勉強を経て、無事に入学。そこで通訳・翻訳の訓練を2年間受けました。修士課程での通訳・翻訳の勉強を通じて、プロの通訳・翻訳者として稼働するためには、英語力だけではなく日本語力、そしてビジネスの知識が不可欠であると強く感じ、日本で就職するために帰国しました。
帰国後はどのようなお仕事に就きましたか。
総合物流会社です。物流事業において主に国内物流を中心に物流プランニング、倉庫運営の仕事に携わりました。在日米軍向けの荷物を扱っていたため、お客様とのやり取りでは英語を使用し、倉庫管理や輸送手配では日本語を使用していました。10年間に及ぶ業務を通じて、現場力を養うことができました。物流は非常に厳しい世界で、お客様に「正しいもの」を「正しい場所」に「正しい日時」に届けることができて初めてスタートラインに立つことができ(0点)、そこから付加価値を足すことで100点に近づけていく仕事です。仕事に対する考え方、姿勢、倫理、すべてを学ぶ素晴らしい機会となりました。
通訳・翻訳業務はいつから担当されましたか?
私にとって2社目となる複合企業の自動車事業部での仕事からです。自動車内装部品(主に自動車シート)の開発・生産・品質サポートを行う会社の購買部に所属しました。購買部の「ファイナンスコントローラー」が行う財務分析のサポート業務を行う傍ら、購買部全体の通翻訳業務にも挑戦するようになりました。ここでの仕事は2年半でしたが、ビジネスには欠かせない経理・財務の基礎を習得するとともに、様々な会議での通訳(主に逐次)を経験することができました。例えば購買戦略会議、業者選定会議、内部監査、人事評価、ERPシステム導入、各種購買トレーニング、リスクマネジメント会議などです。
現在のお仕事について教えてください。
現在は、住宅設備機器・建材企業にて部門付きの通訳・翻訳専任のポジションに就いています。主に所属部署の部門長向けの通訳・翻訳業務を行っていますが、依頼があれば他部門の通訳のお手伝いをすることもあります。所属部署はプロジェクトベースで仕事をしており、6ヵ月から1年のサイクルで内容の異なるプロジェクトを実施しています。自部門で完結する仕事はほとんどなく、ほぼすべてのプロジェクトにおいて他部門とのやり取りが発生します。プロジェクトの前半では他部門との会議が多く通訳の割合が増えますが、終盤に向けて最終報告書ができあがってくると翻訳の割合が多くなります。通訳の形態はほとんどが同時通訳です。大規模な会議における一方向のプレゼンテーションを通訳する機会よりも、小規模な会議において相手とのインタラクティブな会話を通訳する機会の方が圧倒的に多いです。お互いに本音で話す会議では、かなり厳しい発言が飛び交うことも多くあります。翻訳では、正確かつ高品質な翻訳が求められる最終報告書の他に、スピードが重視される仕事もかなり多くあります。
現在のお仕事を選んだ理由をお聞かせください。
2社目の仕事を始めた時に、アイ・エス・エス・インスティテュートの英語通訳者養成コースに通い始めました。少しずつですが知識を積み重ね、通翻訳専任のポジションに挑戦してみようと思い、今の仕事に応募しました。現在の上司が「チームの一員として働ける通訳者」を探しており、私はまさにそうした環境を望んでいました。通翻訳が必要な時にだけ部分的に関わるのではなく、チームの一員としてプロジェクトに携わることができれば、これまでの仕事の経験も生かせると感じたからです。また、上司が「会社に貢献することはもちろん、仕事を通し学び成長し続けて欲しい」という考えであったことも、とてもありがたいと思いました。通翻訳専任のキャリアをスタートさせるにはこれ以上ない環境だと思いました。
現在のお仕事で、大変なことはありますか。
所属部署ではプロジェクトベースの仕事を行っているため、6ヵ月から1年のサイクルで全く内容の異なる案件を扱うことになります。これまでに様々なプロジェクトに携わってきましたが、新しいプロジェクトを始めるたびに一から学び直す必要があります。そこが大変な部分ではありますが、様々な内容の案件に挑戦できるという意味ではありがたい環境でもあります。所属部署では、チームの強みの1つとして「スピード」を掲げており、特に翻訳作業においてスピードが要求されています。チーム全体のスピードを落とすことのないように気を付けています。また、わかりやすい資料が、翻訳によって難解になったり品質が損なわれたりしないよう、十分留意しながら業務にあたっています。
どんな時に「やりがい」を感じますか。
やはり何といっても、通翻訳で関わった仕事がアクションにつながるところです。たとえ小さな変化であったとしても、実際に変化を目の当たりにすると大きな達成感を感じます。一方で、変化や変革は痛みを伴い、大きな抵抗を受けることもあります。厳しい言葉の飛び交う打ち合わせを何度か繰り返した後に、相手の方から所属部署の上司に対して「あなたは非常に誠実な人だ」「また一緒に仕事をしましょう」というコメントがあった時には、言葉を訳すだけではなく上司の思いや人柄も含めて通訳をすることができたという自信につながります。
失敗のご経験は?
依頼を断ることに抵抗があり、つい引き受けてしまった仕事でまったく通訳としての役割を果たせなかったことがあります。その時は一緒に組んでいた先輩の通訳者の方に助けていただいたおかげで、事なきを得ました。依頼内容を見極めて、対応できない案件についてはきっぱりと断ることもプロとして必要な要素だと学びました。
現在のお仕事に生かせているスキルはありますか。
特にスキルと呼べるものはありませんが、しいて言えば、諦めない性格や粘り強さがそれにあたるかもしれません。
努力されていることを教えてください。
隙間時間を有効に利用し、毎日少しずつですが通訳・翻訳の練習をしています。通勤時に駅までシャドウイングをしたり、帰宅してからニュース記事を一本訳したり、地道な努力を重ねることで基礎体力がつくと信じて勉強しています。さらに、質の高い日本語や英語に触れる努力をしています。例えば、自分では書くことのできない単語が使われている文章に目を通すようにしています。また、知っていると思っている単語であっても辞書を引くようにしています。日本語と英語では1つの単語がカバーする意味の領域が異なるので、1対1の訳語ではなく、その単語が本当に意味する内容を感覚的につかめるようになるまで辞書を引き続けるよう努力しています。そのほか、先輩の通訳者の方に勉強方法を教えていただくこともありますし、通訳対象の方からのフィードバックにも真摯に耳を傾けるようにしています。
アイ・エス・エス・インスティテュートの通学歴を教えてください。また、仕事と学校の両立はいかがですか?
英語通訳者養成コースの入門科から始めました。現在の仕事に就くまでは続けて通学していたのですが、通翻訳専任のポジションについてからは両立が難しくなり、休みながらの通学にしています。レギュラーコースへの通学歴は、約一年前の秋学期の「プロ通訳養成科3」クラスが最後になっています。現在はレギュラーコースはお休みしていますが、短期コースは受講しています。例えば、Bobby Hirasawa先生の実践的なIR通訳のクラスや、曽根和子先生の社内通訳トレーニング、日野峰子先生の上級通訳者への3ステップのクラスの受講経験があります。仕事と学校の両立はやはり大変です。通学時には、上司や同僚が様々な面で協力をしてくれました。使える時間は限られているので、優先順位をつけて行動することが必要になると思います。
「人材派遣」という就業形態を選ばれた理由は何ですか。
就業形態は特に気にしたことはありません。挑戦したい通翻訳のポジションがたまたま人材派遣だったというのが理由となります。
アイ・エス・エスの対応はいかがですか。
人材派遣だけではなく、学校も含めて総合的にキャリア形成でお世話になっています。スクールの講師の方からのアドバイス、人材派遣登録時のスキルチェックや面談、また担当営業の方のフォローアップなど、ISSグループ全体でキャリアサポートをしてくださっていると感じています。
今後の目標を教えてください。
直近の目標としては所属部署の案件について、スピード・品質ともに高いレベルの通訳翻訳を行えるようになることです。また、自部門の案件については、資料のない会議でも対応できるような底力を身に付けたいと思っています。長期的な目標としては、どの企業においても通用すると考えられる本社機能について、特に集中的に知識・通訳力を身に付け、さらに、事業内容についても詳細レベルまで訳出のできる通訳者になりたいと考えています。将来的には、言葉の壁をゼロにできる通訳者、企業が事業を行っていくうえで欠かせない通訳者になることを目標としています。
箕輪さん、大変貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。
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