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派遣スタッフの声

得意の英語を活かしたお仕事で、いきいきと活躍している派遣スタッフのみなさんに、現在のお仕事や今後のキャリアプランについて伺いました。アイ・エス・エスから派遣就業されているスタッフの方の「声」をお届けいたします。

『通訳チームの一員として様々な会議を担当、インド英語漬けの日々』西岡美絵さん 大学在学中に1年間アメリカに交換留学を経験し、卒業後3年3か月間のホテル勤務の後、神戸女学院大学大学院文学研究科通訳・翻訳コース入学。修了と同時にオーストラリア・クイーンズランド大学大学院日本語通訳・翻訳修士課程に編入。2013年12月に修了後、大阪で製薬会社の新薬開発本部にてチーム付通訳として就業開始。その後はアイ・エス・エス経由で東京都内の医療機器輸入販売会社の外国人ディレクター付秘書兼通訳、保険会社の合併プロジェクト付通訳として稼働。現在はインド系IT企業の通訳チームで就業中。

現在のお仕事について教えてください。

インド系IT企業の通訳チームの一員として様々な会議を担当しています。会議件数は日によりますが1日3~4件、内容はITソリューション、技術、デモ、提案レビューなど業界に特化したものから入社オリエンテーション、人事面談、法改正にともなう社内説明会など多岐にわたります。お客様来社時やお客様先への訪問時などお客様対応もありますし、会社イベントの通訳対応もあります。コロナ前は毎日出社していましたが、2020年4月以降は基本在宅勤務となっており、対面指定の会議以外は今もオンラインでの会議対応です。チームには15人以上の通訳者が在籍しており、長時間の会議ではオンライン、対面を問わずペアやグループで対応することもあります。

どんな時に「やりがい」を感じますか。

通訳ユーザーの方と原語を聞いているオーディエンスがほぼ同時に笑う、驚くなどの同じ反応をしたときは個人的に達成感を感じます。また、通訳ユーザーだけでなく、通訳を必要としないバイリンガルの会議参加者の方にもお礼や労いの言葉をいただいたときはとても嬉しかったです。今の就業先は比較的逐次通訳が多いと言われている現場で、かつバイリンガルの方も多く、いい意味で緊張感を保って業務に従事することができています。

現在のお仕事で、大変なことはありますか。

インド系の会社で英語ネイティブの方はほとんどおらず、インド英語漬けの日々を送っています。最初はもちろんインド特有の英語の発音にとまどいましたが、今は慣れてきました。インドは人口も多く、今後はインド英語を話す人に出会う場面もどんどん増えるだろうと思うと、聞き慣れておいて損はないのではないかと考えています。また発音だけでなくインド特有の英単語や、文化の違いも勉強になりますが、聞き慣れてくるとそのインド特有の英単語が自分の口から出てしまうときもあります。状況により賛否は異なると思いますので、各状況でのベストを出せるよう臨機応変な対応を心掛けています。

通訳のお仕事を選ばれた理由をお聞かせください。

大学の学部生時代、通っていた大学の大学院に通訳・翻訳コースが新設されたこともあり、大学3、4年生で英語の授業の一環で通訳・翻訳の授業を選択することができました。しかし通訳の先生から「通訳は黒子です」と教えられ、表舞台で活躍することを夢見ていた大学生としては、当時は通訳を仕事にしようとは思いませんでした。その後、社会人になり、英語ができる人もたくさんいる中で英文科卒というだけで英語を使える仕事やポジションに就くのが難しいと実感しました。その時に英語を使える仕事、また自分なりに英語を極める道として頭に浮かんだのが通訳でした。

通訳訓練と仕事の両立はいかがでしたか?

ホテル勤務時代の最後の3か月は大学院との両立でした。社会人大学院で働きながら通えるように授業時間は平日夜間や週末に設定されていたものの、やはり仕事との両立がとても大変で、特に通訳は練習量が結果に直結しますので、十分な練習時間が取れないことがストレスでした。また自分の性格からして、仕事と通訳訓練の2つをバランスをとりながらやろうとしてどちらも中途半端になるよりも、1つのことに集中して短期間でできるところまで仕上げてしまったほうがいいと思い、オーストラリアの大学院に編入し、ある意味全てを遮断して、寝る・食べる以外の時間は翻訳の課題か通訳練習に集中するという期間にしました。私にはこれが合っていたと思います。人それぞれ合う、合わないがあると思いますので、他の人のやり方をまねるより自分に合った方法を取ることが上達・長続きへの鍵だと考えています。

現在のお仕事に生かせているスキルはありますか。

大学卒業後にホテルで電話交換台兼宿泊予約係をしていました。そのときに学んだ言葉遣いなどホスピタリティ業務の基本や、電話対応という音だけのコミュニケーションに慣れたことで電話会議でも最初からあまり緊張はしませんでした。今でこそ在宅でオンラインが普通になっていますが、コロナ前には出社でも対面ではない、インドとの電話会議が頻繁に行われており、ヘッドホンではなく電話のスピーカーから音を取ることに最初から苦手意識がなかったのは助かりました。また、もともと方言や訛りがうつりやすく、大学学部時代の留学では英語だけではなく、日本の別の大学からきていた寮の友達のおかげで留学後しばらくは名古屋弁も流暢に話せるようになったくらいです。自分が持っていない発音や訛りも吸収できることが、今もインド英語の聞き取りに役立っていると思います。もちろんスピーカーにもよりますが聞き取り辛いと感じることは少ないですし、正直私の英語もインド寄りの発音になってしまっているのではないかと思います。通訳者としての賛否は分かれるかもしれませんが、インド人には伝わりやすいのではないかと思います。実際就業当初は、同じ内容・英語で話しているのに私の英語では通じず、インド人が話す英語だとオフショアに通じた、ということがありました。聞き慣れた発音や訛りのほうがスムーズに理解してもらえると感じた瞬間でした。自分の発する英語もきちんとその場の需要に合わせてコントロールし、その時々のコミュニケーションに最適な対応をしていきたいと思っています。

努力されていることを教えてください。

日々、英語・通訳スキルの維持、時事的な英語や英語表現の習得はもちろんですが、今の就業先に特化したことでいうと、インド文化に興味を持ち、勉強とまではいかずとも色々学ぶようにしています。例えば、インドの方は名前がとても長く、会議中に「XXさんが」と知らない人の名前が出てきたら聞き取れないことも多かったですが、ヒンドゥー教の神様の名前を組み合わせたものであることが多く、ヒンドゥー教の歴史や神話の本を読んだことが役立ちました。またヒンドゥー教の文化を少しでも知ることで、インドの慣習やお祭りを含めた行事、生活習慣、ベジタリアンの方への理解が深まった気がします。あとは会社のイベントでクリケット大会に参加したことで、わずかながらクリケットのルールも知ることができたのはよい機会でした。実際会議前後のスモールトークでクリケットがよく話題になるので、知っておいて損はなかったです。

「人材派遣」という就業形態を選ばれた理由は何ですか。

通訳ポジションが正社員より人材派遣が多いという単純な理由はありますが、私自身就業形態にこだわりはありません。通訳の仕事を始めたときから、色々な会社・業界で様々な内容に触れたいと思ってきましたので、正社員として1社にとどまって会社に尽くすよりも、ある意味身軽な人材派遣でその場その場で与えられた仕事をきちんとこなしつつ色々な経験を積むほうが自分に合っているのかなと思います。

アイ・エス・エスの対応はいかがですか?

東京に来てからの3つ全ての就業先でお世話になっています。長期にわたってお世話になっているからこそ、これまでのキャリアも理解していただき親身に対応していただけありがたいです。登録時も、お金をいただいての仕事としての通訳経験がなかった私でも、これまでの通訳訓練・経験とその場でのスキルチェックに基づいてお仕事を紹介していただき、自信につながりました。

今後の目標を教えてください。

直近の目標としては、健康に気をつけて、割り当てられた会議から毎回最大限自分の知識にしていく、この積み重ねだと思っています。長期的な目標としては、機械翻訳やAIの発展もめざましい中で、個人的には日本語のハイコンテクスト性を考えると、日本語と英語の通訳の仕事がなくなってしまうことはないとは思っていますが、それでも日々進化するテクノロジーや言葉そのものに対して自分をきちんとアップデートし、かつ柔軟性や臨機応変さを失わずに対応していければと思っています。

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