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派遣スタッフの声

得意の英語を活かしたお仕事で、いきいきと活躍している派遣スタッフのみなさんに、現在のお仕事や今後のキャリアプランについて伺いました。アイ・エス・エスから派遣就業されているスタッフの方の「声」をお届けいたします。

『社内全部門から依頼を受ける、通訳チームの一員として勤務』徳竹大地さん 東京大学大学院理学系研究科修了後、化学メーカーの研究開発部門で約5年勤務。その後、自然体験と英語の基礎習得のためニュージーランドに1年滞在。帰国して翌年、通訳、翻訳を学ぶためオーストラリアのクイーンズランド大学院修士課程へ留学。修了後2017年から通訳、翻訳者として勤務。これまでに物流、コンサルティング、自動車関連の会社で通訳を経験。現在は大手外資系自動車メーカーの通訳チームで就業中。

現在のお仕事について教えてください。

社内全部門から依頼を受ける、通訳チームの一員として勤務しています。サプライヤーとの交渉、社内部門会議、ワークショップ、社外イベント、事業所訪問など、いろいろな通訳依頼があります。通訳形態も様々で、対面パナガイド、オンラインツールを使ったリモート通訳、両方を混ぜたハイブリッド型もあります。一日の会議の数は1~3回程度で、長い会議は二人以上で担当することもよくあります。翻訳をすることもありますが、基本的に通訳業務で手一杯のことが多いため、対応数はそこまで多くありません。

どんな時に「やりがい」を感じますか。

白熱した議論や質疑応答では、どういうことなのか、理由は何なのかを本当に知りたいという熱が伝わってくる時があります。そのような場面では、自分が橋渡しとなっている責任を感じますし、無事に会議が終わった後は安心感と達成感があります。
また、当然ですが「ありがとう」と声をかけられると役立っていたのが実感できます。それ以外にも、例えばあるイベントで、社外の方が会議終了後に同僚に、「今日の通訳は反応が早く、話の内容がよくわかってよかった」と言っていたのが聞こえてきたときは嬉しかったです。
内容で見れば、最新技術に触れられる面白味もあります。最近であればEV関連の話題などは興味深いです。

現在のお仕事で、大変なことはありますか。

単語と聞き取りです。分からない単語は次々現れます。出てくる度に、会議中であれば一瞬の判断が必要になりますし、会議後にも社内用語なのか、一般用語なのか、次に出てきたときは何と訳すべきなのか考えるのは大変です。事前資料に新しい技術、サービスについての記述があると、その背景、基準、強み、弱みなどを調べて会議に臨む必要がありますが、高度な技術内容になると予習がかなり大変です。
発音は、独特なアクセントには悩まされています。インド人の方は全般に早口で独特なリズムがあり難しいですし、その他の国の方もアクセントが強いと、聞いていて見失うことがあります。
難しい点でいえば、資料なし、または資料配布が会議直前の場合は毎回苦労します。ただ、これは通訳としてはどうにもできません。送付依頼を繰り返すか、早く届くことを祈るのみです。

失敗例は多くありますが、以下二つ例を挙げます。
ある部内会議を初めて担当しました。事前資料があったので、一通り目を通し、難しい単語も確認して準備をしていました。
開始直後、「これはXX、これはYYで、こちらがZZ」というように、スライド中の円グラフ、棒グラフ、表の項目を次々に移動する話者に、私はどこを話しているのか見失い、全体的に後を必死で追いかける格好となりうまく訳せませんでした。定期会議のようだったので、おそらく参加者はどこが重要か認識していたのだと思いますが、私は初回参加だったためさっぱりでした。この失敗から、資料の読み込みが重要だと再認識しました。
また、前職になりますが金融系の会議で、「ここから難しいですよ、いいですか」の後に指標となる数値の計算式について、「この左辺は~、分母は~」と説明が続き、ほとんどまともに説明することができませんでした。同言語でも参加者全員が理解できる内容ではなかったように思います。ただ、その時は、単語はもちろん、意図していた内容もうまく訳すことができず、通訳を聞いている人に申し訳なく感じました。専門用語を全て把握するのは無理でも、背景知識は重要だと実感しました。

通訳のお仕事を選ばれた理由をお聞かせください。

学生の時に目覚めた海外旅行の経験が大きいです。バックパックを背負って貧乏旅行をしていると、現地の人たち以外にもいろんな旅行者に出会います。その時につたないながらも英語での会話が面白く感じ、通訳の職業に興味を持ちました。英語を学ぶと、自然と海外の情報にも関心が向くようになり、世界が広がっていく感覚があります。学んだ内容がそのまま仕事に、そして普段の生活にも生かすことができる点も魅力に感じました。
また、常に大量に学ぶことがあるので飽きることがなさそうだとも思いました。この点で苦労させられることもよくありますが…。
その他には、単純に「これってなんて言うのだろう?」という問いの答えがとっさに出てくる通訳はかっこいいなと思ったこと、また、普通の会社員と一味違った自由度の高い仕事のイメージがあったのも理由の一つです。

お仕事に生かせているスキルはありますか?

化学式、化学物質名、特殊な試験方法などが出てきたときは、具体的に頭にイメージが浮かぶことがあり、大学や研究員時代の知識が役立っているように思います。
また、スキルと呼べるかわかりませんが、これまで海外50か国以上を旅行した経験があるので、その国の出身の人と初めて話す時はいいきっかけになっています。

努力されていることを教えてください。

単語帳を作って電車移動中に覚えるようにしています。また、楽しみと勉強を兼ねて洋書も読むようにしています。
聞き取り能力向上のためインターネットでラジオをよく聞いています。また、発音練習のためシャドーイングもするようにしています。よく聞くのはBBC Radio4です。視聴者とのやり取りがある番組が、実際の会話に近いのでとても参考になります。特に、社会・政治関連、ガーデニング、料理の番組は内容も面白くお気に入りです。

「人材派遣」という就業形態を選ばれた理由は何ですか。

正直に言うと選んでいません。通訳の仕事のほとんどが人材派遣の形なので、興味のある仕事を選択した結果、現在の就業形態となりました。

アイ・エス・エスの対応はいかがですか?

以前求職中に、タイミングよく現在の就業先をご紹介いただけてありがたく思っています。私は現職で初めてお世話になりましたが、丁寧に対応していただいています。必要な連絡は早めに来ますし、問い合わせへの回答も早いです(宣伝に聞こえますが本当です)。

今後の目標を教えてください。

早口、発音が聞き取りにくい話者に当たった時にも、すらすらと訳せるようになることです。慣れ以外にも、繰り返しの内容はまとめる、意図を先読みするなど、工夫できるところはあると思っています。また、頭の中の貯めを多く持てるようになりたいです。具体的には、ただ訳すだけではなく、同時通訳でもある程度構成の整った、聞きやすい通訳ができればと思っています。
長期的には、技術的な内容は通訳していて面白く感じるので、科学技術系の通訳で特に活躍できるようになりたいです。

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