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すぐに役立つTips集

翻訳者としてのスタート

翻訳の経験がない方が企業内翻訳者を目指す場合、まずは英文事務やアシスタントなどの英語を使うお仕事から始めるのが一般的です。もしオプションがあれば、英語での読み書きが多いお仕事に就くと、より翻訳に役立つ経験ができます。リーディング、ライティング業務を経験しながら、平易な翻訳をするチャンスが巡ってきたら、ぜひ積極的に取り組んでみてください。そのような経験を重ねて実力が伴ってくると、翻訳の比率が高いお仕事への可能性が広がってきます。また毎日、翻訳業務をこなしていくと対応力がついてきますが、それと並行して、翻訳スクールなどで翻訳のテクニックを身につけていくことをお勧めします。

派遣翻訳者としての業務

企業内の翻訳専任のポジションでは、高いレベルの翻訳力とスピードだけでなくそれを支える専門分野の知識や業界知識が求められます。そのため企業内の翻訳業務には通常、特定分野での翻訳経験が必要で、長年の蓄積がものをいう職務だといえるでしょう。また、クライアントの業界は幅広く、法律関連、製薬、医療機器、ヘルスケア、自動車、メーカー、流通、食品、ゲーム、エンターテインメントなど多岐にわたります。金融分野では証券、銀行、投資銀行、生命保険、損害保険、監査法人などに根強いニーズがあり、近年はIT・通信、メディカル分野でのニーズが拡大傾向にあります。

英訳と和訳の対応力

企業内の翻訳業務では、英訳と和訳の両方に対応するケースがほとんどです。案件によっては英訳のみ、または和訳のみというケースもありますが、どちらにも対応できるようにしておくと、お仕事を獲得できる幅がより広くなります。英語力のベースをしっかり整えておくことはもちろんのこと、英語検定1級、TOEICは900点以上など高度な資格取得は英語力の証明になり、書類選考でも有利となります。また、ネイティブのチェッカーや社内の外国人と英語でコミュニケーションをとる場面もあり、基本的な英会話力を備えておくことも欠かせません。

OA操作力も磨いておきましょう

翻訳業務でもOA操作力は必須で、そのスキルは翻訳のスピードアップにもつながります。企業内の翻訳業務では、ワードやパワーポイントなどで作成された原文を翻訳するのが一般的。特に外資系企業ではプレゼンテーションが多く、パワーポイントで作成された資料に訳文を上書きしていく機会が多くあります。そのため、レイアウト調整などをできるようにしておくことも必要です。また分野によっては、翻訳支援ソフトの経験を問われることがあり、それを使いこなすことも翻訳者としてのスキルの一つになりつつあります。

翻訳者に必要なヒューマンスキル

翻訳は一人で行う作業ですが、派遣翻訳者として社内で業務を行う場合は、翻訳の依頼者や翻訳チームの責任者、あるいはネイティブのチェッカーなど、周りの人たちと関わりながら仕事をすることになります。また、原文を作成した人に内容を確認したり、社内の技術者や専門家に教えを受けることなどもあります。質の高い翻訳を完成させるには、関係者としっかりとコミュニケーションがとれること、社内のリソースを有効に活用できることが大切です。そのようなヒューマンスキルが、ひいてはあなたの翻訳力を高めることにもつながります。

翻訳に大切な3つの要素

翻訳には3つの基本要素があります。1つ目は、原文を構成する単語や構文、論理の展開など、「原文を正確に理解する」ということです。2つ目は、「原文のメッセージが正確に伝わり、読み手にとって理解しやすい訳文になっているか」ということ。そして最後が、最新の専門用語を理解し「新しい単語やコンセプトなどをどう表現するか」を探るリサーチ力です。加えて、社内の用語集の単語や書式を守っているかなども重要な要素です。単純なことですが、訳文の抜けは致命的です。できあがった翻訳は少し時間を置いてから必ず見直しをし、綿密な最終チェックをした後での提出を心がけましょう。

企業内翻訳者の課題

原文の骨子だけを求められる翻訳、社内の人だけが見る翻訳、クライアント先でのプレゼン資料、許認可などで第三者機関へ提出するフォーマルな申請書類など、派遣先で翻訳者に求められる内容はさまざまです。翻訳の目的によって対応方法も変わってくるので、訳出文章がどのような目的で使われ、誰が読むのかを事前に理解しておくことも大切です。また、スケジュールの厳しい翻訳に対処しなければならない場合もあり、多様な翻訳ニーズに対応できる力を培っておく必要があります。時代とともに新しい技術やサービスが生まれ、それに伴って用語なども変わり、翻訳スタイルも変わっていきます。そのような変化にも敏感かつ柔軟に対応していくことで、つねに必要とされる翻訳者になれるように努めてください。

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