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プロ通訳者・翻訳者コラム

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加藤早和子先生

加藤早和子先生のコラム 『いつもPresent Progressive』 南山大学卒業。特許文書翻訳、調査会社勤務を経て、アイ・エス・エス・インスティテュート同時通訳科で訓練。
現在はフリーランスの会議通訳者として、医学・獣医学、薬学、バイオテクノロジー、自動車、情報通信、環境、知財、財務、デザインなど幅広い分野で活躍中。

第1回:はじめまして

はじめまして。
今回からコラム担当になりました加藤早和子と申します。

通訳というお仕事に興味のある方、通訳者になりたい方や目下勉強中の方々、社内通訳から次のステップを目指している方々がコラムの読者層とのことですが、私の経験が少しでも参考になればと考えてお引き受けすることにいたしました。
また、自分のこれまでのキャリアの在庫整理的な振り返りも兼ねて、初心に返ってこれからの自分を考える場にできるかなという思いもあります。

しばらくの間、お付き合いくだされば幸いです。

業務に赴くとよく受ける質問があります。
「通訳さんは留学をしていらしたのですか? 帰国子女ですか? 現地で育ったのですか・・・?」
私に限らず通訳者はほぼ全員この質問をされた経験があると思います。

華やかな留学歴や海外歴などをお持ちの方々もいらっしゃいますが、いえいえ、私の場合、答えは全くの「No」です。
とってもドメスティックな、地方の県立高校出身ですし、大学も英文科や英語学科は選びませんでした。
田舎の高校では校舎の裏に同じ学校の農業科の畜舎があって、放課後には上階のブラスバンドの音に混じって牛が「モ~」なんて鳴いているのんびりした環境でした。
私の育ったのは古い昭和の匂いがプンプンの、「男はつらいよ」で寅さんが地方に行くと起こる出来事満載の、「あ~、わかるわかる、あの感じ・・、同じだわ~」なんて言えるような環境。
10代まで周囲にあったのは、その時代の典型的で限定的な職業の選択肢(ある一定以上の年齢層ならわかりますよね)、「女の子だから家にいれば・・」という飛躍のない将来。若い時は誰でもそうかもしれませんが、閉塞感も感じていたと思います。

それではなぜ通訳者になったのか?

異文化に関心があったから、その最前線に居ること、居続けることが面白いと思ったからです。育った環境が、かえって異なった物事や体験を求める原動力になったのかもしれません。
ただ、最近同級生と話をすると、やっぱり十代には同じように閉塞感や違和感を感じていた、みたいな話も聞くので、単なる若さや幼さなのか、または時代全体に何か共通するものがあったのか、はて妄想だったのか、はっきりはわかりませんが・・・。

あとは、通訳業は職業としても自由度があり都合がよかったこと、自立(自活)できる有効な手段だったこともあります。

いわゆる通訳をして初めてその報酬を得る体験をしてから(その頃は、勉強不足で通訳者としての意識も低かったし、思い起こせば全く未熟でお恥ずかしい限りでしたが・・)30年ほどになります。
現在は、様々な専門分野で会議通訳をしており、アイ・エス・エス・インスティテュートで講師もさせていただいております。次回以降、通訳者の徒然に加えどんな経緯でキャリアを積んできたかも含めて、少しずつ書いてみたいと思います。

初回は、自己紹介まで。タイトルの「いつもPresent Progressive」は現在進行形の意。常に終わりのない道のりの途上に自分がいることを心に留めて、書き進めていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

end

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